昨夜オペラシティー・コンサートホールで行われたチャリティーコンサート「故郷」に行ってきました。
今日の朝刊各紙、テレビのニュースなどで報道されているのでご存知の方も多いと思いますが、陸前高田市のがれきに立って、お母さんとお爺さんお婆さんを津波で失った高3の少女佐々木瑠璃さんが、お婆さんに買ってもらったトランペットで、ザードの「負けないで」を吹いている写真が朝日新聞に掲載されたのを、同じく被災地出身のプロトランペッター安藤友樹さんが見て、彼女を招いてチャリティーコンサートをと思い立ち、 僕もよく存じ上げている(アマチュアの声楽家でもある)国際政治学者であり社会福祉法人「さぽうと21」理事長の吹浦忠正さんに協力を求めこのコンサートが実現したそうです。
東北地方出身の管楽器奏者中心のウインド・オーケストラの演奏を中心に、オルガン(会場に大きなパイプオルガンがある)、コーラスなどのプログラム。佐々木さんは第2部の2曲目に登場、
演奏に先立って司会の加藤タキさんからのインタビューに答え、時々涙を流しながら被災時の話しをしてくれました。「両親を亡くしたり、自分よりもっとつらい思いをしている人がたくさんいる。その方達の悲しみを伝え、支援の輪を広げたい。」とコメント、会場も多くの方が涙をぬぐっていました。『復興をになうのは自分たちなので、悲しみに負けないで生きたい。」とも。
そしてプロばかりのウインド・オーケストラと一緒に、物怖じせず両脇を先輩トランペッターにエスコートされて「負けないで」を立派に演奏。会場の熱い励ましと感動の拍手を受け、何度もステージに呼び戻されて挨拶。フィナーレの「威風堂々」にも参加、プロに混じって思いをこめた演奏で、会場に熱い々感動で包みました。
そして演奏が終わって司会者の問には「楽しかったです!」と明るく答えてくれました。ああ、よかったなあ!と心から思えるコンサートでした。音楽の大好きな17才の聡明な高校三年生がこの夜の主役。将来は医者になるのが夢という彼女にとって、一生忘れられない日になった事だろうと思います。曲のように負けないで、夢を叶えていってくれるものと信じます。
さてこのコンサートの収益は、被災地の子どもたちに楽譜や譜面台や楽器を購入して送るという取り組みに使われます。どこかで聞いた話しだと思って下さった方、ありがとうございます。実は、先週僕らがやったチャリティーコンサートの収益は、この取り組みに役立てて頂くために、今回このコンサートを共催された社会福祉法人「さぽうと21」に寄付してあります。昨日のコンサートの純益などと一緒に、被災地の音楽をやっている子どもたちに贈られます。