来週の水曜日4月20日は原宿のアコスタディオで僕の春のリサイタル「バースデーコンサート」があります。元々は僕の生まれた50年代生まれの、自分と同じ時代を過ごしてきた歌を歌って、いろいろと人生を考えよう・・・、という企画からスタートしました。今回も50年代の名曲を中心に、せっかくギターの柴田杏里とレパートリーを一生懸命作っておきながら、なかなか演奏するチャンスが巡ってこない名曲達をご披露しようと言うわけです。そのうち今日は2部の6曲めに歌う"Caruso"の舞台となったソレントのエクセルシオール・ヴィットーリア ホテルの写真をご覧に入れます。'96年の3月にソレントに行った際このホテルに泊まりました。ホテルのゲートから入口までオレンジの並木になっている小道を数十メートル歩くのですが、ゲートを入ってすぐのところにこの碑が掲げられていました。
この碑には、大テノールカルーソーがこのホテルで人生の最後の日々を過ごした、という事が書かれています。アメリカで大病した彼が一旦癒えて、故郷ナポリに二人目の奥さんと、その奥さんとの間に出来た9歳の娘を連れて帰り、ナポリに近いこのソレントに療養のため滞在していたのですが、ついにここでまた倒れ帰らぬ人となったのです。そして日本でもヒットした、イタリアの人気シンガーソングライター、ルーチョ・ダッラの名曲「カルーソー」はこのホテルが舞台になっています。ここの海を眺めるテラスで、泣いていた娘を抱きしめて死期を悟った彼が歌うというのがシチュエーションです。実は4月4日にこのブログに掲載したソレントのホテルのテラスの写真がここのテラスですので、後からもう一度ご覧になってみて下さい。で、その写真を撮ったとき、背中側のテラスにあるのがこのレストランです。アールヌーボー調のタイルで装飾されたオーシャンビューの素敵なレストランでした。
またこのホテル内部もとても素敵でしたが、特に廊下にも美しい壁画があったのが印象的で、漆喰にフレスコで、淡い紫を中心に繊細なタッチで描かれていました。
こんな美しいホテルのテラスにはあまりふさわしくない悲しい歌ですが、とにかく美しいだけにより悲しみも深くなるんではと思いました。3年前のリサイタルで初めて歌ったときには、涙を浮かべて聞いてくださったお客様がたくさんいらっしゃいました。しかし今度のコンサートは悲しい歌ばかりじゃなくて、楽しい歌も、切ない歌も、幸せな歌もいろいろ歌います。まだチケットがありますから是非聴きにいらしてください!お待ちしています。詳細、お申し込みはhttp://www2.ttcn.ne.jp/~Goloso204/25.htmlへ。