昔・・・と云ってもせいぜい10年ぐらい前まで<DAT>という録音メディアがありました。MDがディスクならDATはテープでした。小さなテープにクリアな音がデジタル録音できるので確か1995年頃に購入。用途は主に自分のコンサートなど録音でした。製品名は<DAT Walkman>ソニーの製品です。ウォークマンといってもかなりの重さで普段のリハーサルなどは音質的にDATに劣っても軽くて小さいMDウオークマンを使っていました。
さて、昨日のことです。7月のコンサートで、もう多分10年以上は歌っていない古いナポリのカンツォーネ「木靴屋の歌」と云うのを久しぶりに歌おうと思い、楽譜を捜しました。オリジナルの原語の楽譜は手元にあってすぐ出せるんですが、珍しい歌なので4番まで僕が訳詞を付けてあります。その訳詞を書き入れた楽譜がどうしても見つかりませんでした。楽譜はかなり細かくジャンル分けして、更にABC順にまとめてあるんですが、あるべき場所にどうしても見つからず、更に自作の訳詞だけまとめて書いてある五線帳(6冊ある)にもなぜか見当たらず、と云うことは書き忘れに違いありません。
訳詞を思い出そうにももうほとんど忘れてしまっていて断片的にしか思い出せません。どうしようかと考えたら・・・!そうだ!!と思いついたのがこのDAT。多分「木靴屋の歌」を歌ったコンサートの録音があるに違いないと思って捜してみたら、ありました!!1997年10月のリサイタルの録音に入っていました。よし聴こう!とDATウォークマンを久しぶりに引っぱり出してみました。多分もう4〜5年は使っていません。果たして動くか?!ドキドキしながら電源を入れてみたら・・・やった〜!見事に動いてくれました。
そこで早速訳詞を聴き取り、Macで新規に楽譜を作成、練習を始めました。めでたしめでたし。しかしこのDATウォークマンも一体いつまで動いてくれるかが問題です。もう勿論製造していないし、故障しても部品は当然もう無いでしょうから、壊れたらそれまで。押し入れの中には大事なコンサートの録音が2〜300本は眠っています。何とかこれをCD-RかDVD-RかHDにダビングしたいんですが、今とてもそんな時間は無いです。自分の耳で聴いて残すものと残さなくても良いものを仕分けしなくてはなりませんし、ダビングも一曲一曲レベルの調整などしたいですし。
技術革新でいろいろいい機械が出て来て、良い音で簡単に録音できるようになるのはありがたいですが、古いものが聴けなくなってしまうのは本当に困ったものです。MDももうだめですしDAT然り。今は大丈夫なCDやDVDだっていつだめになることやら。何とかしてもらいたいですよね。