ピックアップメンバーに何度も僕のカンツォーネの伴奏をして頂いている「東京マンドリン・アンサンブル」の定期演奏会が昨夜(5月19日)目黒パーシモン・ホールで行われ、ご招待を頂き拝聴させて頂きました。
常任指揮者でアレンジャーでいらした「たかしまあきひこ」先生が昨年亡くなられたので、その追悼の音楽界でもあり、舞台に袖には遺影が飾られ、ご子息の「たかしまかんた」さんが初めて指揮をされました。御父君の曲間のMCのユーモアやその指揮ぶりが思い起こされ、さすが親子!という感じでした。
さてイタリア生まれのマンドリン、特にナポリではカンツォーネになくてはならない存在で、有名な工房も集中しています。それなのに一説では、今やマンドリンの演奏人口は日本の方がイタリアより多い!と言われています。イタリアではマンドリンの音色や音楽を古くさいと敬遠する若者が多いせいだとも言われています。ではなんで日本でマンドリンはかくも愛されているのか・・・?と云う疑問の一つが昨夜の演奏を聴かせて頂いて分かったような気がしました。
昨夜演奏された曲を聴いていて、勿論その華やかな音色も素敵だったのですが、例えばラヴェルの「なき王女のためのパヴァーヌ」とか第2部で演奏された「秋」に因んだ日本の童謡やシャンソンのセンティメンタルなメロディーに何とその柔らかな音色がマッチしたことでしょう。何気なく我々が口ずさむ日本の童謡のメロディーが何と心に深く染みてきたことか!日本のメロディー、日本人の感性にマンドリンの音色がぴったりなんだ!と云うことが実感でき、それこそが日本でこの楽器が愛される所以ではなかろうか!と思ったのでした。
6月10日はナポリでそんな工房の一つ、マエストロ・マズィエッロの工房でナポレターナのリサイタルをしてきますが、何か一曲日本の童謡をプログラムに加えようかと思っています。