僕のファンクラブの発起人をして頂いた花輪一郎さんが先日亡くなられて、今日ご自宅の近くの教会で行われたご葬儀に参列させて頂きました。忘れ得ぬ素晴らしい方、愛する方とまたお別れしなくてはなりませんでした。
花輪さんは享年92歳。肺炎で亡くなられました。現国立東北大学を卒業されてから海軍に入られ、海軍兵学校の教官をされた後、終戦直後NHKに入られ、初めはラジオの、そしてテレビ放送が始まってからはテレビの音楽番組のプロデューサーを長くつとめられました。手がけられた番組は「NHKのど自慢」はじめ僕がよく見ていた番組では「あなたのメロディー」など数多く、日本中の音楽好きの方々に多くの喜びと感動を、素晴らしい音楽番組という形で届けて下さいました。
花輪さんは奥様ともども(誰もが羨むような大変に仲の良いご夫妻でした)僕がイタリア留学から帰ってきて初めて指導した某合唱団のメンバーでした。その頃はもうNHKを定年退職された後でしたが、ご趣味だった絵のほうはしばしば個展を開かれるほどの腕前、歌も大変にお好きで、僕が訳あって合唱の指導から身を引いた後も合唱団の一員としてよくオペレッタやオペラの舞台に立っていらっしゃったり、今日葬儀の行われた教会の聖歌隊でも歌っておられたそうです。また六本木男声合唱団のメンバーでもいらっしゃいました。
海軍兵学校時代の教え子の方(といっても80代)が、当時は大変に優しく穏やかな教官でいらしたと話しておられましたが、本当に静かで穏やかな優しい紳士で、しかし軍人でもあられたせいかちゃんと一本通ったところがあり男らしい方でもありました。どなたからも敬愛され、認められる素晴らしいお人柄で、花輪さんの言われること、なさることは誰もが納得し、従われるふしぎな力をお持ちでした。
生憎僕はご一緒に仕事をさせて頂くチャンスはなかったのですが、僕のファンとして数多くのコンサートや舞台に足を運んで下さいました。よく「歌ももちろんだが純ちゃの語りが素晴らしい、話しも最高に面白い!僕が現役だったら、絶対純ちゃんの番組を作ったんだけどなあ!」と言っておられました。出会った時期が遅かった事はお互い残念なことでしたが、しかし素晴らしい時間も共有させて頂くことが出来、ファンクラブ設立時には発起人を務めて下さったり、コンサート後の打ちあげの席やファンクラブの食事会でなど、いつもお心のこもった素晴らしいスピーチをして下さいました。
牧師様が、花輪さんはもう天国の神様のお側に行っておられる。そこで私たちがこの先やって来るのを待っていて下さるんだと式の中でお話になっておられました。きっと天国からあの優しい目で地上の我々の様子を見守っていて下さり、そして我々が行くのを楽しみに待っていて下さると僕も信じています。この世ではもうお目に掛かれませんが、天国でまた楽しい時間をご一緒させて頂くことを楽しみにしたいと思います。花輪さん、その日までしばらくさようなら。本当にありがとうございました。