僕のクラシック・バレエの師匠雑賀淑子先生率いる「サイガ・バレエ」の「くるみ割り人形」を久しぶりに見て来ました。何でカンツォーネ歌手の僕がバレエを習っていたかと言えば、「歌って踊って芝居の出来る」テナーを目指していたからで、以前はオペレッタやミュージカルにたくさん出演していたからです。別にダンサーになろうとはこれっぽっちも思っていませんでしたが、雑賀先生は僕の顔を見る度に「ダンサーになりなさい!」とおっしゃっていました。
今日のこの公演は青少年音楽協会の主催であり「くるみ割り人形」とは言っても大劇場での大がかりなグラン・バレエではなくて、教会の礼拝堂でもある小ホールで、伴奏はピアノとフルートとハープ三人だけ。場面もかなり刈り込んで、会場に大勢詰めかけている小さい子どもたちでも飽きないようにコンパクトに少人数で出来るように演出。雑賀先生らしいヒューマンなアットホームな温かさあふれる舞台でした。
恥ずかしながら・・・昔僕も何度かくるみ割り人形に出させて頂きました。まだろくに踊れない頃フィナーレの花のワルツのステップが踏めなくて特訓して頂いたこともありました。ジャンプ力を買われて「お茶の踊りで」でジャンプしまくったこともありました。一度だけ大役のドロッセルマイヤーもやらせて頂きました。我ながら図々しくよくやったものだと思いますが、この役は踊りより演技力が要る役だからとおだてられてやらせていただいたものでした。とは言ってもやっぱりバレエは踊りです、そう簡単にはつとまりません。僕のような素人を踊らせてしまう雑賀先生の凄腕!
先生は一昨年喜寿のお祝いをされたので来年はついに・・才!何と今日もコーヒの踊りを踊られました! 下の写真は終演後ロビーで敬愛する雑賀先生と。先生は今日も僕の顔を見ると「あんたバレーをやんなきゃだめよ!」。「いえ、もう無理です」とお答えすると「年寄りの役はいくらでもあるわよ!」ほうほうの体で逃げ帰ってきました。
いつまでもお元気で舞台に立ってください!