幻のタンムリアータの洗礼を受けて朝帰りした翌日は、ゆっくり寝て午前中ホテル近くのCDショップに出掛け、カンツォーネ・ナポレターナの三枚組x全15巻というCD全集を買ってきました。このCDは帰国してから車の中で順次聴いていますがまだ第6巻までしか聴いていません。買い物に行く途中見つけた駐車中の2台の車、この素晴らしくナポリらしい絶妙な車間にご注目下さい。
午後もホテルでくつろいで体力を温存。夜8時過ぎ、僕の歓迎パーティーが開かれる予定の、ドゥオーモ近くにお住まいの指揮者ジュゼッペ・スキローネさんのお宅に、皆さんと大挙して伺いました。マエストロのお宅は7階にあって広いルーフバルコニーがあり、ナポリ湾が一望できます。そのバルコニーがこのパーティーの会場です。マエストロはアレッサンドロが作曲したオペラ「ルイーサ・サンフェリーチェ」の指揮をされた方で彼の友人。ぼくらが着くととりあえず来ている人達だけでまず乾杯。ナポリらしくこの後夜が更けるに従ってだんだんお客が増えていきます。白いポロシャツを着ているのがマエストロ。
マエストロのパートナーのロースィーさん手作りの美味しい料理も並べられ、僕らが持参したお土産が積み上げられたテーブルも置かれ、やって来た人達が好みの物を取っていきます。軽く飲んだところで演奏スタート。アレッサンドロはじめ、マエストロの友人のフルーティストとパーカッショニストも来てくれて、全部アドリブ、楽譜なし、僕がイントロを弾き出すと直ちに見事な伴奏が奏でられ、僕がどう歌っても、まるで10年以上も前からずっと共演してるかのようにぴったりと寄り添ってくれます。僕の後ろに見えるクーポラがドゥオーモです。8時過ぎなのでまだ明るいですね。
カンツォーネの作詞家で詩人のヴィンチェンツォ・デ・シモーネさんが到着、彼は歌も上手くて一曲披露してくれました。僕の歌に感激した彼はぼくに彼の詩を2編、これに作曲して歌ってくれとプレゼントしてくれました。
もちろん参加メンバー達も聴いているだけではなく何曲も一緒に歌いました。
夜も更けたところで最後の一曲を!と、"Core 'ngrato(カタリ・カタリ)"を歌い、いよいよこれから最後の聴かせどころの一声!というところで突然花火の弾ける音が響き渡って、打ち上げ花火が次々と上がり始めました。下の路上で誰かがたまたま誕生日か何かのお祝いに打ち上げたんですね。我々はビルの7階のバルコニーにいるわけですが、ちょうど花火が我々の真横で炸裂するんです。当然演奏はストップ!皆で花火を楽しみました。これは別にマエストロ達が仕込んだ物ではなく、たまたま!というところがナポリ。日本じゃ夜11時に街中でこんな花火を勝手に打ち上げたら、近所から苦情の嵐。警察や消防もすっ飛んで来て始末書をとられるでしょうね。
この後僕が用意してきたお礼のメッセージを披露。マエストロやアレッサンドロからも心温まる返礼が述べられました。
この夜も日付をまたいでホテルに戻りました。我々にとって忘れられない素晴らしい経験がもう一つ積み上げられた一夜でした。